『アトムズ』 岸遼 2015年

毎回、たのしかったり、びっくりしたり、ホォ〜と思わせてくれる21_21 DESIGN SIGHTの企画展。6月19日から「動き」がもたらす表現力に触れ、観察し、その構造を理解し体験する『動きのカガク展』がはじまった。

同展では「八重の桜」をはじめとしたNHK大河ドラマのオープニング映像や数々の企業CMを手がける、モーションデザインの第一人者、菱川勢一をディレクターに迎え、ものづくりの楽しさを感じ、科学技術の発展とデザインの関係を改めて考える。これまでの同館での企画展では最先端の目新しい作品が紹介されることが多かったが、今回は目新しさにばかりとらわれるのではなく、「動き」の原点に立ち戻ったような作品に心を奪われる。

東北工業大学クリエイティブデザイン科鹿野研究室による「プロジェクト・モーション/サイクル」は円運動を上下運動に変換するものだが、はじめは動力や電子的ななにかが関わっていると囚われてしまうが、実はテグスにつながっただけの物理的な変換だけで動いていることにあらためて驚く。クワクボリョウタの『ロスト #13』はすでに世界的に知られた作品だが、鉄道模型と百均グッズが描き出す幻想的な影絵的世界にはあらためて癒やされる。生永麻衣+安住仁史による『リフレクション・イン・ザ・スカルプチャー』は折り紙から着想したミラー・オブジェが生み出す光のイリュージョンが息を呑むほど美しい。

ディレクターの菱川さんが「実際に手にとって、ワイワイと体験して楽しんでいただきたい」としているように、夏休みに家族や仲間と游びに行く感覚で楽しめる展覧会だ。

【展覧会詳細】
タイトル:企画展「動きのカガク展」
会期:2015年6月19日(金)〜9月27日(日)
休館日:火曜日(9月22日は開館)
開館時間:10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
入場料:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
※詳細は公式サイトを参照

http://www.2121designsight.jp/program/index.html

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